近年習い事の種類は増え続けており、最近では「ダンス」「プログラミング」などを学ぶ子どもも増えてきています。
一方で昔からある「水泳」「ピアノ」などは変わらぬ人気を誇っており、習うことによって多くの効果があるとされています。
「そろばん」もその一つであり、習うことで数多くのメリットがあります。
そこでここではそろばんを習うことのメリット、伸ばすことのできる能力について紹介していきたいと思います。
そろばんを習うメリットについて
そろばんを習うことで多くのメリットがあります。
さまざまな能力が身につくということもその一つです。
ここではそれらのメリットについて順に紹介していきます。
単純に計算が早くなる、算数が得意になる
これはもっとも大きく、しかもわかりやすいメリットと言えるでしょう。
小学生の低学年などからそろばんを習うことで、単純に計算が早くなる、算数が得意になるということがはっきりしています。
そして一度早くなった計算力は簡単には衰えることはありません。
これにははっきりとした理屈があります。
そろばんは漢字では「珠算」と書き、「珠」を使う計算方法であることがわかります。
習い始めのころは実物のそろばんを使って指でパチパチと珠を動かして計算をしていきます。
これを繰り返すことでぼんやりと頭の中にそろばんが浮かぶようになってきます。
何か計算をする際には頭の中で見えない指が珠を弾いて計算することができるようになっていきます。
これを「暗算」と言います。
ある程度の熟練者になると計算式を見た瞬間に暗算することで瞬時に答えを出すということも可能となっていきます。
また、ある程度のレベルまで熟練してくると日常生活でも買い物などの際に自然と暗算をしているために計算能力が急激に落ちるということもありません。
このように「計算が早くなる」というのは普通に日々を生きていく上でも便利な能力だと言えるでしょう。
算数や数学以外の教科にも関係してくる
そろばんを習うことで算数や数学が得意になるというのはイメージしやすいかもしれませんが、実はそろばんを習うことで他の教科にも良い影響を与えることがわかっています。
そろばんは珠を動かすことで計算をしていく道具です。
このように動かせばこのような結果が出るという仕組みを自然と理解することができる道具でもあります。
こういった「論理性」を身に着けることで他の教科にも影響していくのです。
国語などは特にわかりやすいと言えます。
近年パソコンやスマホの普及によって自分が理屈を理解していなくても結果を出すことが簡単にできるようになってきたことで「論理的に考える」ことができる子どもが減ってきていると言われています。
そうした中で論理性を鍛えることができるそろばんは非常に価値があると言えるでしょう。
STEAM教育の基礎を学ぶことができる
「STEAM教育」という言葉が教育業界で使われるようになってきています。
これは文部科学省が定義している言葉であり、以下の頭文字を合わせたものです。
Science:科学
Technology:技術
Engineering:工学
Arts:教養
Mathematics:数学
簡単に言うと、教科や科目にとらわれずに社会で必要となる知識や技術を総合的に身に着けていく教育を指しています。
上記で述べたようにそろばんを学ぶことで「算数、数学はもちろんだが他の教科についても良い影響を与えることができる」ために総合的な学びの基礎となるのです。
生涯必要とされる社会的総合能力を身に着けることができるというのは大きなメリットと言えます。
脳の活性化、認知症予防にも効果的
そろばんを習うことが学校教育にも良い影響を与えるということについて紹介しましたが、他にもメリットはあります。
まずは「脳の活性化」です。
基本的に「頭を使って考える」「指先を細かく動かす」ことによって脳の活性化につながるとされています。
そのためそろばんは認知症予防の方法としても使用されており、大人、高齢者を対象としたそろばん教室も存在しています。
もちろん子どもがそろばんを習う際にも脳の活性化は大きなメリットと言えます。
脳に刺激を与えることで思考力、記憶力などさまざまな力に影響してくるためです。
習い事をする際に費用があまりかからない
保護者は子どもの可能性を伸ばすためにさまざまな習い事をさせたいと考えることがありますが、その際に気になるのが「費用」です。
単純に習っている教室などに支払う月謝の他に必要となるものが多い習い事があるのです。
例えば野球教室であれば「ユニフォーム」「バット」「ボール」「グローブ」などの野球用品が必要となります。
これはどういった習い事でも同様なのですが、そろばんについてはこれらの用具や用品についてはほとんど必要ありません。
基本的には「そろばん」があれば良いのです。
他にはそろばん教室の月謝があれば他には費用はほとんどかかりません。
これは習い事の中でも大きなメリットと言えるでしょう。
内申書、調査書、履歴書に記載できる資格である
そろばん教室で学んでいると定期的に「昇級試験」を受けることがあります。
多くのそろばん教室が利用している「公益財団法人全国珠算教育連盟(全珠連)」「日本商工会議所(日商)」が実施している試験に合格することで「公益財団法人全国珠算教育連盟検定3級」のように立派な資格を得ることができるのです。
こうした資格は調査書や履歴書にも記載できる資格となりますので進学や就職にも有利になる材料となります。
そういった意味では将来的にも役立つ習い事だと言えるでしょう。
そろばんを習う際の注意点とは
そろばんを習うことで多くのメリットが期待できるのですが、実際に習う際にはいくつかの注意点もあります。
ここではそれらの注意点を紹介していきます。
そろばんを習えば必ず学力が向上するわけではない
そろばんを習うことによって脳が刺激される、計算が早くなるといったことについてはすでに証明されていることです。
ただ、そろばんを習ったから必ず学力が向上するかというとそれは証明されていません。
よくあるケースとしては、
・計算は早いが図形問題や文章問題が解けない
・社会や理科などの教科で暗記ができない
ということがあります。
計算力が直接関係していない部分が苦手なまま残ってしまうという場合があるのです。
そういった意味ではそろばんを習えば必ず学力が向上するわけではないとも言えます。
結論をすぐに出してしまう癖がつく
そろばんを習っている子どもに見られる傾向として、計算が早い、頭の回転が速い、結論までたどり着くのが早いということがあります。
もちろんこれらはメリットでもあるのですが、逆に自分が早く答えにたどり着いてしまうことによって「他の子どもが遅く見える」「他の子どもを待てない」ということがあります。
自分が早く答えを出してしまうのと比べると、ゆっくりと考えて思考を組み立てていく他の子どもが鈍くさく見えるのです。
いつまでも答えを出せないことに対してイライラしてしまうこともあるかもしれません。
まとめ
そろばんという習い事は昔からある習い事でもあり、現在も人気の習い事です。
計算が早くなるという絶対的なメリット以外にも資格が取得できる、費用が安いなど多くのメリットがあります。
脳の活性化を促すためにもぜひそろばんを始めてみましょう。



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