子どもが小さいうちに習い事をさせるのは、子どもの可能性を伸ばすだけでなく健康や能力を向上させることも期待できます。
ただ、どの習い事が良いのかについては悩むことがあるかもしれません。
そんな中、水泳、スイミングは子どもの成長に大きな効果があると言われています。
そこでここでは子どもに水泳を習わせる効果、メリットについて紹介していきたいと思います。
脳の発達、神経回路への影響について
水泳をすることによって身体面に良い影響があるのはイメージされやすいのですが、実は脳の発達や神経回路にも良い影響があるとされています。
神経回路が大きく発達するのは5歳前後とされています。
この年頃に水泳をすることによって「水の感触」「水圧」「水に浮かぶ感覚」「手足の動き」などによって神経回路が刺激されて成長を促すことができるのです。
脳内のシナプス(神経細胞)が形成されていくことが影響しており、それが良い効果をもたらすのです。
シナプスは情報伝達をつかさどっているため、シナプスが成長することは「情報処理速度が速い」ということになるのです。
医学的にはこのシナプスは5歳ごろまでに約80%、12歳ごろまでにほぼ100%が形成されると言われています。
多くのスイミングスクールでは年齢に合わせてコースが分かれており、幼少期から水に浮く、顔を水につけるという段階からスタートできるようになっています。
神経回路の発達のことを考えると水泳を始めるのは早い方が良いと言えるでしょう。
リンパ、免疫への影響について
リンパに関する機能としては免疫に関する扁桃腺やリンパ節などに影響してきます。
このリンパに関する部分は6歳ごろから成長が進んでいき、12歳ごろに成長度合いが最高となります。
その後思春期を過ぎてくると成長度合いは低下していきます。
リンパは水泳をすることによって体に刺激を与えて鍛えていき、自律神経の働きを向上していくことによって免疫力を高めていくことにつながります。
免疫力が高まれば、病気にかかりにくい、風邪をひきにくい体になっていくこととなります。
筋力、心肺機能の向上について
水泳は全身を使う有酸素運動となっており、その運動量は陸上での運動の5~10倍とも言われています。
水の抵抗がある中での運動を続けることによって、「基礎体力」「筋力」「免疫力」が向上していきます。
筋力が向上することによって基礎代謝も上がっていき、太りにくい体になります。
また、有酸素運動を行うことによって心臓機能、心肺機能の向上も見込めます。
水泳をすることで小児喘息が改善したという例もあります。
それだけの運動量がありながら水中では体への負担が少なく、関節や骨などにかかる負荷を減らすことができるためにケガのリスクを抑えて運動をすることが可能となります。
こうした効果によって水泳や水の中を歩くという行為はリハビリなどにも利用されています。
脳の活性化、学力の向上について
全身運動を行うことは脳にとっても良い影響を与えます。
全身運動をすることで脳への血流も良くなり、注意力や集中力を司っている前頭葉、前頭前野も鍛えられるのです。
さらに脳の血流がアップすることによって記憶を司る海馬が大きくなるという実証データもあります。
このことによって記憶力も向上することとなります。
脳科学の観点から見ると、水中の中で浮力を感じながら体を自由に動かすように状態をキープするためには自分の体、位置、向きなどをイメージしながら行う必要があります。
このことで空間認知能力が向上していきます。
空間認知能力が向上することで、地図の理解、文章の読解、図形問題などが得意になっていく傾向があります。
調査結果によっては東大生の約6割は幼少期に水泳教室、スイミングスクールに通っていたというデータがあります。
このデータによっても「水泳を行うと頭が良くなる」と言われることとなったのです。
このように水泳で全身運動をすることによって学力面にも良い影響を与えるのです。
精神面の成長、リラックス効果について
水泳を行うことによって少しでも綺麗なフォームで泳ぐ、タイムを縮めるという目標を達成していく達成感、それぞれの目標に挑戦していくというチャレンジ精神を鍛えていくことができます。
こうして精神面を鍛えていくことができるのです。
さらに水の中で浮くという行為は全身の力を抜くことができるため、リラックス効果があるとも言われています。
また、水泳を行うことで心肺機能が向上し、呼吸筋が強化されていくことで呼吸能力が高まります。
呼吸性能が向上すること、有酸素運動でストレス緩和に役立つセロトニンというホルモンが分泌されることなどが合わさってストレスの軽減、高いリラックス効果がもたらされるのです。
実際にどれくらいの運動時間が必要となるのか
これまで述べたようにとにかくメリットが多い水泳ですが、水泳は全身運動のためにエネルギー消費量が多いスポーツでもあります。
例えば散歩、ウォーキングで100カロリーを消費するためには約30~40分が必要となります。
同じ人が水泳を行った場合、約3分で100カロリーを消費すると言われています。
これほど体力を使う、エネルギーを消費するスポーツであるために長時間水泳を行うと疲労がたまってしまい、勉強を行う集中力が低下することにつながります。
まして幼少期の習い事として水泳を行う場合は長い時間泳ぐというのは逆効果になってしまう場合があります。
初めてプールに入るような子どもの場合はまずは水に顔をつける、ヘルパーをつけて水に浮くというところから始めていくと良いでしょう。
体が大きくなっていくにつれて水の中にいる時間を伸ばしていくと無理のない範囲で効果を生み出すことができます。
水泳を行った疲労感、筋肉の回復と成長には48~72時間、つまり2~3日かかると言われていますので、毎日泳ぐのではなく週に2~3回程度が理想と言えます。
道具代金などがかからないのもメリット
子どもが行う習い事のなかでもスポーツはある程度お金がかかると言われています。
昔からやっている子どもが多かった野球などでもバット、グローブ、ボール、ユニフォーム、アンダーシャツなど多くの用具が必要となってきます。
これはサッカー、テニス、バスケットボールなどでも同じことが言えます。
それらのスポーツと比べると水泳はそれらの多くが必要ありません。
帽子、水着、ゴーグル程度の用具があれば行うことができるスポーツなのです。
行うのに必要となる用具が少ないというのも水泳のメリットと言えるでしょう。
まとめ
子どもが成長していく際には年齢によって段階があります。
特に成長する時期は神経系統は5歳前後ごろまで、リンパ系統は12歳ごろまで、骨格の基礎ができてくるのが12歳前後から、身長が一気に伸びる、筋肉量が増えるのが15歳前後となっています。
この成長期にそれぞれの能力が向上されることが期待できる水泳を習い事としてさせることによって大きく能力を成長させることができるのです。
また、こうした体に関する能力だけでなく、水泳には精神面や学力面でも良い影響を与えるということがわかっています。
ストレス軽減やリラックス効果も見込めるために落ち着いた精神状態でスポーツができるというメリットもあります。
子どもの習い事としては水泳がとにかくメリットが多いものだと言えるでしょう。
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